「ビハインド・ザ・ウォール 呪縛館」映画感想(ネタバレ/結末)壁の向こうの“何か”の設定が曖昧

どうもジャケ借りくんです!
今回レビューするのは「ビハインド・ザ・ウォール 呪縛館」!
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

作品情報

監督:ジェームズ・コンデリク、ジョン・コンデリク
脚本:ジェームズ・コンデリク
キャスト:バネッサ・エンジェル、ハッチ・ダーノ、レジー・リー、リュー・テンプル、ベイリー・スプライ
原題:Behind the Walls
製作年:2018年
製作国:アメリカ
上映時間:91分
参考サイト:映画.com

感想

怪物の設定が説明不足でどういう存在なのかわからずイマイチ乗れないという感じでした。点数は6/10としました。

ある家族が引っ越してきた家の壁の裏側には怪物のようなものが潜んでおり、家族は恐ろしい目に会う…というお話です。
怪物は実体を持つ生き物のような姿をしていて触手を伸ばし家族に危害を加える一方で、幻覚をみせたり子どもの体を浮かせたりと超常的な力も使うのでどういう存在かボケボケでわかりづらいです。また、怪物が家族に危害を加える目的もあまり説明されません。一応、怪物が「この家が俺をよみがえらせてくれる、家族を逃がすわけにはいかない」ということを言いますが、それは家族をただずっと家に留まらせたらいいのか、それとも別の何かをしなければいけないのかということが分かりません。ラストは、母親が壁の裏側に閉じこめられ”いけにえ”となることで子供たちは家から解放されるというものなので、「この家が俺をよみがえらせてくれる」とは家に引っ越してきた人間をいけにえとすることで以前壁に閉じこめられた人間が解放されるということなのかな、と考えたりもしましたがはっきりとは分かりません。このように、説明不足のせいで非常に話が分かりづらくなっている作品でイマイチ乗れません。

ラスト15分ほどは怪物との戦いが描かれていて、怪物が家中を暴れまわるかなり派手なシーンが続くので結構楽しめました。怪物の造形や、触手によって動かされた首なし死体が襲い掛かってくる場面など見どころも多いです。ラスト15分以外にも子どもがオーブンに閉じこめられ燃やされそうになったり、母親の上司の指がちぎれてしまうところなど結構エグイシーンも見ごたえありです。この上司の指がちぎれてしまうところは、ある前振りのおかげで笑ってしまいました。上司がカリーたちに親指が取れるマジックを披露すると子どもたちがほかの指もやって!と嬉しそうに頼むと次の場面で本当に指が千切れてしまうというあまりにもなシーンです(笑)まぁただの悪趣味な前振りというよりは怪物が子供たちの頼みを聞いて実行したということかもしれませんが。

上記の見どころ以外は正直あまり怖く無く退屈な場面が多いです。序盤で怪物が部分的に姿を現す場面もその見た目のせいで、心霊的な怖さはありません。キャシーの夫が暴力的だったという設定も話の本筋にほぼ絡んでこず、脚本的に余計に感じました。マイケルが家から出て大学に復帰したいという話も序盤でちょっと出てきますがそれ以降で回収されることなくもやもやが残りました。僕はこのマイケルのキャラは結構好きだっただけに彼にもっと救いが欲しかったところです。

本作では独特な演出をしているシーンがありますが、余計に感じました。独特な演出とはご飯を食べている場面で背景を黒くして登場人物だけが見えるいわゆる舞台劇的な感じのシーンのことで、これはいつの話のシーンなの?と混乱してしまいました。

あらすじ

母キャシーは3人の子どもとともに古びた一軒家に引っ越してきた。(母:キャシー、長男:マイケル、次男:デリー、長女:カリー)
家でカリーとデリーが遊んでいるとき、床の板が抜け、カリーが地下室へ落ちてしまう。カリーはそこで禍々しい怪物のようなものを見つける。しかし、そのことは家族のだれにも話さなかった。

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キャシーは新たな職場の上司を家に招き、食事をふるまった。その上司が子どもたちと遊んでいるとクローゼットのドアが突然勢いよく閉まり、彼の指がちぎれてしまう。その一件によってキャシーは職場をクビになってしまった。

ある夜、カリーは悪夢を見て叫びながら起きた。その声を聞いた家族も起きてカリーのもとへ集まる。デリーはマイケルにカリーには地下室に新しい友達がいると伝えた。

デリーはカリーが何者かと話をしていることをキャシーに伝えようとすると、突然横からカリーが現れ、デリーに掴みかかる。そして、男性の声でこう言った。「この家は俺をよみがえらせてくれる。家族全員逃がすわけにはいかない。」

クッキーを焼く準備をしていたデリーは何者かの力によりオーブンの中に閉じ込められてしまう。それに気づいて家族が集まってくる。そして突然、オーブンのスイッチが入り、温度がどんどん上がっていく。マイケルが工具でオーブンのドアを開け、デリーを助け出した。

カリーは自分の部屋で、壁のあちら側にいる怪物のようなものに向かって、デリーをオーブンに閉じこめたことをとがめる。家族みんなで家を出ていくと告げるとデリーの体が突如宙に浮き頭が鏡にたたきつけられる。騒ぎを聞きつけたキャシーがやってくる。カリーは怪物が家族を家に閉じこめたがっているとデリーに打ち明けた。どこからか物音が聞こえ、家族全員で家を出ることに。しかし、玄関には鍵が掛かっており外に出ることができない。地下室から怪物が這ってきて家族に襲い掛かる。キャシーが伸びてきた触手につかまり怪物の本体の中に取り込まれてしまう。キャシーは怪物に自分はいけにえになるから子どもたちを見逃してと伝えた。すると怪物は破裂しキャシーは怪物の外へ放り出され助かった。

子どもたちは家から引っ越そうと荷物を運び出していたが、キャシーはマイケルにあなたたちのために家に残ると伝えた。キャシーは家の中に引っ張られ、次の瞬間、気づくと壁の内側へ閉じこめられていた。キャシーは子供たちに大声で話しかけるが声はまったく届かない。マイケルは必ず助けに戻るとキャシーに約束し、カリーたちともに家を後にした。

月日は流れ、キャシーの閉じこめられたその家に新たな家族が引っ越してきた。

おわり

まとめ

・怪物の正体がいまいちわからず乗れない
・終盤の怪物との戦いは見ごたえあり
・本筋と関係ない設定が余計に感じた

終盤までは退屈でしたがラストのバトルは結構テンションが上がりました!

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