「オーバー・スピード 時空を超えた目撃者」映画感想ネタバレ(6/10点)タイムスリップ理論のクセがスゴい

今回は「オーバー・スピード 時空を超えた目撃者」を鑑賞しました。

事故の後遺症によってタイムスリップする能力を得た男が連続殺人事件の犯人を追うことになるが・・・というSFミステリー映画。

タイムスリップを扱ったSFとして上映時間も短くサクッと見れてまぁ悪くないという感じでした。

個人的な評価は6/10点です。

作品情報

監督:アンドレイ・ザギドゥーリン
出演:エフゲニー・ロマンツェフ、ポリーナ・マクシモーヴァ、レオニド・グロモフ、オレグ・ヴァシリコフ、エカテリーナ・ソコロワ、ナジェジダ・マルキナ
原題:Beg
製作年:2020年
製作国:ロシア
リリース:2021-08-06
上映時間:83分
映画サイトでの評価:「IMDB」6.2/10点、「フィルマークス」2.7/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
セルゲイはロシア代表に選ばれるほどの実力を持つ陸上選手だった。

そんなセルゲイはある大会に出場した帰りに恋人アリーナを乗せた車で事故を起こし、アリーナを死なせてしまう。

それから2年後。セルゲイは走ると脈が異常に早くなる事故の後遺症に悩まされ、現在はスポーツジムでインストラクターをしていた。

ある日、林道をジョギングしていたセルゲイは過去に行ってまた現在に戻ってくるというタイムスリップを体験する。

セルゲイがタイムスリップをしたのは3人以上の死が起きた、あるいはこれから起きる場所にて、早い脈拍で走ったからだと判明。

セルゲイと関係がある人物が林道近くで何者かにひとり、ふたりと殺されていくなか、未来へタイムスリップしたセルゲイはそこで三人目の遺体を発見してしまう。

それはセルゲイを追っていた刑事だった。セルゲイはその刑事を救おうとするが、刑事はある男に殺されてしまう。

刑事を含めた一連の殺人事件の犯人は、アリーナの幼馴染の男だった。セルゲイが起こした事故でアリーナが死んだにもかかわらずセルゲイが無罪だったことに納得がいっておらず、殺人を起こしその罪を着せようとしたのだった。

自分に関わった人間がたくさん死んでしまったことに責任を感じたセルゲイは、驚くべき速さの脈拍と走りで、アリーナが死ぬ前にタイムスリップし、自分自身を銃で撃って殺してしまう。そうすることで、自分自身が消え、アリーナを死なせた事故や、そのあとの殺人事件が起きないようにしたのだった。

感想

ロシア代表になるほどの実力を持つ陸上選手セルゲイは、事故によって走ると脈拍が異常に早くなる後遺症に悩まされることになる。現在はスポーツジムのインストラクターをするセルゲイはある日短期間だけ過去にタイムスリップするという不思議な体験をする。そのころ、自分とかかわりのある人物が次々と殺されるという事件が起き始め警察から疑われるようになったセルゲイは真犯人を見つけようと奮闘するが…。

・まあ悪くないタイムスリップモノ

事故の後遺症によりタイムスリップをしてしまう体質になった主人公が、警察に追われながらもタイムスリップをしてしまう理由や自分の周りで起きる殺人事件の犯人を明らかにしようとする話で、SF的ギミックを使ったミステリー映画になっています。

タイムスリップの理屈とかムチャクチャでイロモノっぽさはあるものの、まぁ悪くない映画…なのか?

殺人事件の犯人は誰なの?とかタイムスリップをしてしまうのはなぜなの?という興味を引く謎が多く、退屈する時間はあまりないかな。ただ、セルゲイを捕まえるため横暴な捜査をする警部がもっと卑劣なやり方でセルゲイを追い詰めてくれたらサスペンスとしての緊張感が何割増しかになってよかったと思います。

それよりも一番語りたくなるのはタイムスリップ周りの描写ですね。物理学者がタイムスリップをする理論をあれこれこねるのですが、これが素人目に見てもすげーヘンであり、苦笑いしつつ、でもその豪快さキライじゃない…!。タイムスリップの条件に3人以上の死が起きた場所というのがありますが、何それ?という感じですよね。おそらくですがこれは「連続殺人事件が起きる」というプロットが先にあってそこから発想していったんじゃないかと思っていますが。

主人公があまりにもモテ男すぎるのはギャグっぽさすらありますが、タイムスリップの理屈がアレだからなんかもうそういう作風という感じで受け入れられますね。

セルゲイの苦しみを表現したシーンでオッ!と思ったところがあります。恋人を死なせてしまったセルゲイの苦悩・後悔を、彼が事故を起こした場所でタイムスリップが起きない理由(=セルゲイが事故を起こした場所ではみんな制限速度を守るため死者がゼロ)と絡めて表現しているシーンのことで、ここは正直ウマいと思いました。

※ここからは重要なネタバレを含みます。

真犯人はこいつ誰?というレベルの脇役でこの人が犯人と言われても…という感じでがっかり&困惑した方も多かったのではないでしょうか?まぁこれは「モブキャラみたいに目立たない人間にもその人なりの人生があるんだ!」という監督の強いメッセージを感じたのでまあそこまでアレコレいう気にはなりません。

まとめ

タイムスリップの設定に強引さは感じますがまあ悪くないSFミステリー映画という感じ。

これが上映時間2時間とかならきつかったかもしれませんが90分弱とサクッと終ってくれるのでまぁ…ね、という感じ。

というわけで評価は6/10点としました。

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