今回は「クロスマネー」を鑑賞しました。
福祉事務所に取り上げられた娘を取り返そうと銀行に金を借りに来たラケルという女性がそこにたまたまやってきた強盗犯によって人質に取られてしまい・・・というスリラー映画。
映画における銀行強盗モノってそもそものポテンシャルが高くて、本作にも最低限のワクワクはあります。しかも主人公が超頭がキレて犯人を手玉に取るという痛快さもある。でも、ちょっとなぁ・・・。視覚的な安っぽさは感じないものの、脚本やセリフがあまりうまくなくそこがノイズとなって集中できませんでした。
個人的な評価は6/10点です。
作品情報
監督:コルド・セラ
出演:エマ・スアレス、ナタリー・ポサ、ウーゴ・シルバ、ダニエル・ペレス・プラダ、バルバラ・ゴエナガ
原題:70 Binladens
製作年:2018年
製作国:スペイン
リリース:2020年12月23日
上映時間:105分
映画サイトでの評価:「IMDB」/10点、「フィルマークス」/5点。
ストーリー紹介
感想
・うまくないところが目立ち映画に集中できない
冒頭にも書いたことですが銀行強盗モノという基本的な設定はそこそこワクワクできるし、主人公の頭脳プレイもまぁまぁ面白い。ただ、演出やセリフのうまくない部分が目立って映画に集中させてくれない…。そんな映画でした。
うまくない部分とは、たとえば、主人公のラケルが強盗犯の情報を包囲している警察官に暗号化して電話で伝える場面。ここはラケルの高知能っぷりをアピールする場面で警察官がラケルの暗号を解読して犯人を割り出すのはまぁ悪くないです。しかし、このあとすぐに人質の一人が銀行から逃げ出し警察に保護されるため、警察はこの人質から犯人の情報を普通に聞き出すことができるわけでさっきのラケルの電話シーンあんまり意味なくね?という。ここで「あれっこの映画ちょっとアレなやつか?」と思ったのは事実です。
犯人と人質のあるやり取りもおかしくて笑ってしまいました。犯人は人質に向かって「パソコンに詳しい奴は?」と聞きます。すると一人の人質が「IT技術者です」と名乗り出ます。僕はここで一瞬犯人がサイバーなやり方で警察官の包囲を抜ける作戦に出るのかなぐらいに思ったのですが、ただ単にパソコンでテレビを見れるようにしろという話でした(笑)自分たちの立てこもりの様子をテレビの中継を通じて確認したかったんだって!なにそれ…と思わず吹いてしまいました。
あとは犯人の人質の見張りが緩いのも気になりました。見張ってるんだか見張ってないんだかわからないほどです。
人質や警官たちがサッカーの試合を見だす場面も一応ギャグなんだろうけどギャグとしてのメリハリがないので笑うに笑えない感じがしました。
※ラストに関するネタバレ注意
・主人公と強盗犯の作戦シーンはイイ
主人公・ラケルと強盗犯の一人・ローラが協力して行う作戦はこういう映画ならではの「してやったり感」がちゃんとあってよかったと思います。あとさっきは文句を言ったラケルが警官に暗号化した情報を伝えるシーンが再び登場し、こちらは無駄にならずちゃんと機能しています。ラケルを演じた俳優の切れ者感あふれる演技もよかったですね。娘を何としても救い出したい母の必死さも鬼気迫るものがありました。
まとめ
銀行強盗モノである点や主人公が高IQの持ち主で知力を尽くして状況を打開する点など土台となる部分は面白いものの、要所で「ん…?」と感じるおかしな描写が目立ち非常に惜しい作品だと感じました。このおかしな部分に目をつむれば楽しめないことはないとは思います。
というわけで評価は6/10点としました。
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