あのエピソードは実話?映画「事故物件 恐い間取り」を原作と比較!

映画「事故物件 恐い間取り」は、芸人の松原タニシさんが事故物件に住み、そこで起こった怪奇現象などを綴ったノンフィクション本「事故物件怪談 恐い間取り」が原作となっています。映画化にあたっての脚色かなと思っていた部分が原作を読んでみると、意外とタニシさんが体験した実話そのままだったりということもあります。

原作未読で映画を観た方のなかには、この映画のどこまでが実話なんだろう?と気になった方もおられると思います。そこで、映画を原作を比較しながら、どのあたりが原作にある実際の話なのかを紹介していきたいと思います。

映画版を原作と比較

登場人物

映画内の登場人物は、松原タニシさんをはじめ、原作から設定などのアレンジが加えられたうえで登場しているキャラがいるので、それをここで紹介します。

主人公の「山野ヤマメ」←原作:お笑い芸人の「松原タニシ」(川の生き物つながり)

ヤマメの元相方「中井大佐」←松原タニシの後輩芸人「華井二等兵」(かなりの昇進である)

ヤマメと中井のファンで、ヘアアシスタントの「小坂梓」←霊感のあるA子という女性?(これは確証がありません。)

不動産屋で事故物件を紹介してくれる「横水純子」←タニシさん専用に事故物件を探してくれる不動産仲介業の「大石さん」?(これも確証はありません)

ヤマメが新たな事故物件に引っ越す度についてくる黒いローブを着た謎の霊←タニシさんが5件目に住んだ事故物件(映画には登場しない)からライブ配信を行っていたときに写り込んだ死神のような影。

心霊現象エピソード

映画に登場する事故物件の死因やその他のエピソードの多くが原作にある実話をもとにしているので、それをここで紹介します。



1件目の事故物件でのエピソード

映画:ヤマメが住んだ事故物件は「過去に殺人事件があった」「一部が違法建築である」という物件。

原作:タニシさんが住んだ最初の物件も映画の通り、「過去に殺人事件があった」「一部が違法建築である」物件でした。

 

映画:マンションの廊下を走ってきた男の霊がバールで中井大佐に襲いかかってきてそれを梓が目撃するシーン。

原作:これは細かくアレンジされているものの、タニシさんの心霊体験が元になっているようです。部屋の前の廊下で華井さんの後ろをピッタリとくっついて歩くニット帽をかぶった幽霊のようなものをタニシさんが目撃したが、華井さん自身はその事に全く気づいていなかったというエピソードです。

 

映画:ヤマメが駐輪場で幽霊を見るというシーン。

原作:原作には、1件目の物件になぜ作られたかわからない駐輪場のエピソードが登場します。おそらくこの話を膨らませて、ヤマメが駐輪場で幽霊を見るシーンが出来上がったのではないかと思います。

駐輪場のエピソードは以下の通りです。

タニシさんが住んでいた物件の1階フロアが全てぶち抜かれ駐輪場になっているが、なぜか住人たちはそこに自転車をとめていない。もともと、この1階部分にも貸し部屋が並んでいたが、4階で殺人が起こった後、1階の住人がむりやり3階に引っ越しさせられ、いまある駐輪場ができた。普通なら殺人が起こった4階の部屋の痕跡を消そうとするはずだが、なぜ何も起きていないはずの1階部分を取り壊し駐輪場を作ったのか?それは今でも謎のままである。

 

映画:ヤマメがビデオカメラを回していたらオーブのようなものが写った。

原作:これはそのままの実話です。映画のエンドクレジットでもその時の写真が映し出されます。

 

映画:赤い服の女の霊をみたヤマメと中井がほぼ同時に別々の場所で車に轢かれる。

原作:マンションの前で、タニシさんが自転車にまたがった瞬間車に轢かれ、華井さんも同時期に別の場所で車に轢かれるという話があり、それが元になっているようです。ちなみに映画には出てきませんが、実は1件目への引っ越しを手伝ったまた別の芸人もタニシさんたちがひき逃げにあった時期にひき逃げされたとあります。赤い服の女を目撃するというのは映画オリジナルです。




2件目の事故物件

映画:ヤマメが街の不動産屋に入り、事故物件を借りる際、3つの物件を紹介されます。それぞれ、死因が「殺人」「自殺」「病死」であると説明され、ヤマメは「殺人」があった物件を選びます。

原作:これは実際のエピソードです。ただし、ここに関して原作から省略されている部分もあります。タニシさんが「殺人」の物件を選んだのは立地と家賃の安さからであり、映画ではそういう描写はなし。ちなみに、映画でこの物件の契約時に「殺人が起こった物件であることを承知する」といった内容の同意書を横水に差し出され「殺人」と書いてくださいと言われる場面がありますが、タニシさんも実際に不動産屋から同意書にサインを求められています。

 

映画:ヤマメが住んだ2件目の事故物件は「息子が母親を殺した部屋」。

原作:これも原作通りです。また、畳をめくると血痕があった、風呂の鏡がなくそこにピンクのペンキが塗られていた、洗面所の排水口に白髪交じりの人毛が出てきた、といった部屋の不穏なディテールも原作にあります。

映画:ヤマメから中井のケータイにゴボゴボゴボという音だけの留守電が残されていたが、ヤマメには電話した覚えがないというシーン。

原作:これも実話で、タニシさんから友人のケータイにゴボゴボゴボという謎の声が留守電に残されていたといいます。しかも、タニシさん自身のケータイの留守電にもこのゴボゴボ音が吹き込まれていました。




3件目の事故物件

映画:ヤマメが住んだ3件目の事故物件は女性がドアノブで首吊り自殺をしたというロフトつきの物件。

原作:これも原作にある通りです。

 

映画:3件目の部屋のロフトの柵にくぼみがあり、気になって事故物件公示サイトで調べると「男がロフトで首吊をした物件」と表示される。つまり、女性によるドアノブでの首つりの前にもその物件で自殺した人がいた、2連続の事故物件であった。

原作:これも実話です。

 

映画:ヤマメがこの部屋で頭痛に襲われ、その後無意識にロフトで首を吊ろうとするシーン。

原作:タニシさんが実際に頭痛に襲われたという点は実話です。ただ、ヤマメのように首を吊ろうとしたということはなく、ここは映画オリジナルです。




4件目の事故物件

映画:4件目にヤマメが住んだのは千葉にある男女のカップルが無理心中をした事故物件。

原作:タニシさんが住んだのは千葉にある、クスリの過剰摂取で女性が死亡した物件なので、映画では変更が加えられていることになります。ただ映画の方で、死神がのちにカップルとなるヤマメと梓の体を乗っ取り、2人を争わせるシーンをいれて「ヤマメと梓」を原作の無理心中するカップルに重ね合わせています。

 

映画:ヤマメが4件目に引っ越してきた当日、部屋に入って数歩進んだあと気絶してしまうというシーン。

原作:4件目に引っ越してきた当日、部屋に入ってすぐ足の力が入らなくなったうえ、動く気力がなくなり、そのまま気絶しまう。若干アレンジされていますがほぼ実話ですね。

 

映画:誰もいないはずなのにヤマメの住む物件の呼び鈴が頻繁に鳴らされ、向かいの家の防犯センサーが反応する。

原作:これも少しアレンジされています。原作では夜中、数時間に渡って向かいの家の防犯センサーが鳴る音がカメラに収められていたとあります。




まとめ

映画のエピソードがどこまで実話なのかを原作と照らし合わせながら紹介しましたがいかがだったでしょうか?

原作の「事故物件怪談 恐い間取り」は、タニシさんが事故物件に住んで実際に体験した心霊現象が怪談として非常にゾッとする素晴らしい出来なのはもちろん、事故物件を貸す不動産屋の裏の事情なども詳しく書かれており、そのあたりも読み応えがあります。映画を観て気になった方はぜひ、原作の方も読んでみてください。

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